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第26話
名詞の扱い方に気をつけよう!
「セロテープを貸してください」
「私はエレクトーンのレッスンに通っています」
「散歩に行くときは、いつも万歩計をつけています」
これらの会話文を読んで、何かお気づきになりますでしょうか?
セロテープ、エレクトーン、万歩計といった名詞は、
日常会話でごく普通に使われていますが、
実は、これらはすべて、特定の企業が商標権を保有する「商品名」なのです。
公に出る文章やマスコミ報道においては、原則として、
商品名をできるだけ一般名称に言い換えなければなりません。
特定の商品名を不用意に用いて、商品の評判に良くない影響を与えたりすると、
名誉毀損等の問題に発展してしまう可能性があるからです。
ところが、上記のように、商品名であるにもかかわらず、
あまりにも一般的に使用される機会が多いために、
一般名称と勘違いされている言葉がたくさんあります。
あるいは、商品名と知りながらも、
その商品の一般名称があまり知られていないために、
仕方なく使われている場合もあるでしょう。
もちろん、プライベートな日記や手紙なら、
商品名を用いても特に問題ありませんが、
不特定多数の人が読む可能性のある文章については、
なるべく一般名称に置き換えるよう心がける必要があります。
ただし、無理に言い換えて意味がわかりにくくなる場合は、
特定の商品の批判にならないよう気をつけながら、柔軟に対処します。
下に、代表例をいくつか挙げておきますので、参考にしてください。
<商品名>→<言い換えの例>
セロテープ→セロハンテープ
ホッチキス→ステープラー
エレクトーン→電子オルガン
万歩計→歩数計
ウォークマン→ヘッドホンステレオ
カップヌードル→カップ麺
宅急便→宅配便
味の素→化学調味料
いかがでしょうか?
意外なものもあったのではないでしょうか。
他にもたくさんありますが、特に気づきにくいものを選んでみました。
前回の差別用語と同じく、うっかり使ってしまうことがあるので、
ご注意いただきたいと思います。
◆ヒント&ポイント◆
「公に出る文章で商品名を用いると、問題が起きる可能性がある」
「一般名称と勘違いされている商品名もあるので、記述する際に注意を払う」