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第24話
「です・ます」調と
「である」調を使い分けよう!

現代口語文の書き方には、大きく分けて、
「です・ます」調と「である」調の2種類があります。
基本的に、一つの文章の中では、
両者を混合しないように書かなくてはいけません。

「です・ます」と「である」を中途半端に混ぜて書くと、
文の調子にリズム感や統一感がなくなり、
失礼ながら、素人っぽい文章になってしまいます。
逆に、どちらかに統一して書くと、
文章全体がきちんと流れているように感じられます。

ライターが出版社から原稿作成を依頼される際、たいていは、
「この文章は『です・ます』調で」とか「『である』調で」といった具合に、
あらかじめどちらか指定されます。
たまに「森末さんがいいと思ったほうで」といわれることもありますが、
要するにどちらかに統一するのは、当たり前の話なのです。

もちろん、私たちが文章を書くときは、どちらを選択しても構いません。
「です・ます」調だと、優しくて柔らかい雰囲気になり、
「である」調だと、断定的で厳しく引き締まった雰囲気になる、
という特徴があるので、文章の内容や目的によって使い分ければよいでしょう。

一般的に、論文やレポートは「である」調がほとんどで、
手紙や子ども向けの童話等の文章は「です・ます」調が多いと思います。
自伝、エッセイ、小説などは、どちらでも大丈夫なので、
書き手の好みで決めればいいのではないでしょうか。

ところで、「例外のないルールはない」といいますが、
「です・ます」調と「である」調が、一つの文中に同居するケースもあります。

1)「である」調の小説の「台詞」の部分に「です・ます」調を使う場合 2)「です・ます」調の文中の「箇条書き」の部分に「である」調を使う場合 3)「です・ます」調の文中に、「である」調の末尾をあえて混入させる場合
1)と2)はわかりやすいと思いますが、
3)は、やや難しい技法なので、例文をあげて説明しましょう。

【例文】
私は自動車の運転が大好きなので、そうでない人よりも、ドライブに出かける
機会は多いと思います。しかし、車で出かけたからといって、必ずしも目的地
を決めているわけではありません。都会の喧噪を離れ、渋滞のない郊外の道路
をひたすら走り続ける――。それだけで十分に楽しいものなのです。

「走り続ける」の部分だけ「である」調ということになりますが、
この程度の混入の仕方なら、無理なく収まっているのではないでしょうか。
文章は、原則的に「です・ます」調と「である」調のどちらかに統一しないと
いけませんが、一部例外もあり得る、とご理解ください。

◆ヒント&ポイント◆
「原則的に、一つの文の中で『です・ます』調と『である』調を混在させない」
「台詞や箇条書きなど、『です・ます』調と『である』調が混在する場合もある」

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