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第11話
比喩を効果的に使おう!

どう説明してよいやら、難しくて悩んでしまうときがあります。
例えば、専門性の高い事柄や、
特殊な立場の人にしか経験できないことなどを、
他の一般の人に対して解説するとき、
相手が理解しやすい表現を工夫するのは非常に困難です。
専門分野に携わっていない人や、
特殊な状況を経験できない人には、
そのまま伝えても、ほとんど想像がつかない場合があるからです。

こんなとき、書き手である私たちはどうすればいいのでしょうか?
そうです。タイトルにあるように、比喩表現を用いるのです。
「上手な比喩を考えるためには、豊かな連想力やセンスが必要なのでは?」
と思われるかもしれません。
もちろんある程度連想力は必要ですが、
実は、比喩には、考えるコツというか、考える順序があります。

例えば、比喩の代表的な表現方法に、
「●●は、まるで■■のようなものである」
という言い回しがあります。文法用語では「直喩法」といいます。
●●は専門的でわかりにくい事柄で、
■■はそれを譬えた事柄ということになります。
この比喩を考える順序を整理してみましょう。

1)自分は●●について説明したいが、一般的には理解しにくいと思われる。
2)●●という事柄の「根本的な本質」は、これこれこういうことである。
(例/「自動車」の本質は「速く走れること」「重い物を遠くまで運べること」)
3)そういえば、●●と同じような本質を持つ、■■というものがある。
4)●●は知られていないが、■■なら誰もがよく知っているに違いない。
5)●●を■■に譬えれば、読者は●●のことを理解しやすくなるであろう。

つまり、最初に、説明したい事柄の「本質」を見極めてから、
同じか、あるいはよく似た本質を持つ「別の事柄」を探し出して、
比喩表現を組み立てればよいのです。
この順序で比喩を考えれば、難しい事柄を説明しやすくなります。

◆ヒント&ポイント◆
「比喩表現」を用いれば、難しい事柄をわかりやすく説明できる。
「比喩表現」は、順序立てて考えると思い浮かびやすい。

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