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第10話
連想力で文章に味付けを!
「謎かけ」という言葉遊びがあります。
「~とかけて、~と解く、その心は~」というパターンに、
いろいろな言葉をあてはめて「発想の意外性」を楽しむ、
一種のゲームのようなものです。
落語家が、寄席やテレビ番組でやっているのを、
皆さんもご覧になったことがあると思います。
実はこれ、面白い文章を書くための重要なコツになるのです。
例えば、なんらかのテーマに沿って書くとき、
本題に直接関係する事柄だけを取り上げると、
平坦で面白みのない文章になってしまうことが多いものです。
これに対して、テーマとは無関係と思える話題を盛り込み、
読者に「おや? 変だな?」と感じさせてから、
深いところで意味をつないで文章を展開すると、
読者の好奇心を刺激できます。
これは、まさに「謎かけ」の発想そのものといえます。
例をあげて考えてみましょう。
4年に一度開催される「オリンピック」を題材にして、
「『オリンピック』とかけて、『あくび』と解く。
その心は、『深夜の衛星中継を観てしまうから』」
という謎かけをつくったとします。これを文章にすると、
「ここ数日、あくびばかり出て困っている。ただでさえ間延びした顔なのに、
周りの人からどう思われることやら、少々心配になってしまう。
あくびが増えたのには理由がある。深夜のオリンピック中継番組を、つい
夢中になって観てしまうからだ。私はスポーツ観戦が大好きで~云々」
といったエッセイの書き出しになります。
整理すると、オリンピック観戦について何か書きたいとき、
真っ正直にオリンピックの話題から入るのではなく、
連想力を働かせて「ヒネった展開を盛り込む」と、文章が少し面白くなる、
ということです。
◆ヒント&ポイント◆
「テーマとは無関係と思える話題を取り上げ、『意外性』という味付けをする」
「落語の『謎かけ』の発想法をヒントに、豊かな『連想力』を身につける」