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第12話
起承転結ってスゴイんだ!

世の中には、「起承転結」があふれています。
例えば、15秒間のテレビコマーシャルの内容を分析すると、
起承転結の展開が盛り込まれていることがよくあります。

起…子どもが食べ物をこぼす。
承…服が汚れて、お母さんが登場する。
転…洗剤のパッケージがドーンと現れて、お母さんがニッコリと笑う。
結…青空の下で、真っ白になった洗濯物が風になびいている。

次に新聞のコラムを読んでみましょう。

起…著名な俳人の句が紹介される。
承…その句が詠まれた時代背景、俳人の人物像が紹介される。
転…現在話題になっている事象との共通点、相違点が説明される。
結…今後はこうするべきではないか、といった提案や教訓が述べられる。

これも見事に起承転結の展開になっています。
ほかにも、童話、小説、テレビドラマ、映画、マンガ等々、
さまざまな創作、著作活動において、
「起承転結」は、非常に重要な要素として取り入れられています。
音楽も、「起…イントロ、承…前半のメロディー、転…サビのメロディー、
結…エンディング」という構成でつくられる場合が多いはずです。
世の中に、いかにたくさんの起承転結が存在しているか、
おわかりいただけると思います。

起承転結は、もともと漢詩の「絶句」の手法です。
漢文の授業で、杜甫や李白などの詩人が書いた「五言絶句」や「七言絶句」
といった、四行の漢詩を習ったことがあると思います。
この絶句の1行目を「起句」、2行目を「承句」、
3行目を「転句」、4行目を「結句」と呼びます。
誰が起承転結を発明したのかは知りませんが、
李白が活躍した唐の時代から、現代のさまざまな創作活動まで、
同じ法則が使われ続けているのは、驚異的な事実と言わざるを得ません。

私たちが文章を書く際にも、起承転結の展開を盛り込むと、
全体の構成がうまくまとまりやすくなります。
文章を書きはじめる前に、
「起」「承」「転」「結」の各部分で何を書くかをメモしておけば、
スムーズに書き進められるはずです。

◆ヒント&ポイント◆
「起承転結は、不滅の大法則である」
「書きはじめる前に、起承転結の各部分で書く内容をメモしておく」

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