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第32話
表記を統一しよう!(Part 2)

前回に引き続き、文章を書くうえで統一すべき要素を紹介していきましょう。

4)単位記号
「キログラム=kg」「キロメートル=km」「パーセント=%」といった単位は、
片仮名か記号のどちらかに統一します。
原則的に、縦書きの文章では片仮名、横書きの文章では記号を用いますが、
縦書きでも記号を用いる場合があります。

5)括弧
「かぎ括弧」『二重かぎ』(パーレン)など、括弧類の使い方も統一します。
通常、「 」は、台詞や強調したい言葉をくくるのに用います。
『 』は、「 」の中でさらに括弧でくくる場合と、
書物や文献のタイトルを表記するのに使います。
( )は、主に補足説明や振り仮名の挿入など。
かぎ括弧、二重かぎ、パーレンは縦書きでも横書きでも使えますが、
かぎ括弧に相当する‘ ’(コーテーションマーク)、
二重かぎに相当する“ ”(ダブルコーテーションマーク)は、
横書きにのみ使用可能です。

また、かぎ括弧の中に句点を入れる場合(「~。」)と、入れない場合があり、
これもどちらかに統一してください。

さらに、センテンスの末尾にパーレンでくくった言葉を挿入する際、
句点の後に入れるか、パーレンの後に句点を打つかも統一しましょう。
例)~である。(~)  ~である(~)。

6)句読点
句読点には、「、」「。」と「,(コンマ)」「.(ピリオド)」の2種類があります。
「、」「。」は、縦書き、横書きの両方に使えますが、
コンマとピリオドは横書きにしか使えません。
横書きの学術書や論文などで、コンマとピリオドが使われているのをよく見かけます。

7)数字
最後に、いちばん難しい数字の表記について、考えてみましょう。
日本語の文章では、主に漢数字とアラビア数字(算用数字)を用います。
原則として、縦書きの文章には漢数字、
横書きにはアラビア数字を使うことになっていますが、
近年では縦書きでもアラビア数字を使うケースが増えています。

数字にはいろいろな種類があり、表記の基準を定めること自体が困難です。
例えば、重さや長さ、距離といった数量・数値を表す数字もあれば、
年号や年月日、年齢といった、ある時点での年数等を表す数字もあります。
また、「万国」「五十歩百歩」といった熟語・慣用句のように、
数量や数値としての意味を持たない数字、というものもあるのです。
このように、数字は種類によって使い方も意味合いもことなるため、
一つのパターンで表記の仕方を100%統一することはできません。

ここでは、縦書きと横書きに分けて、統一方法の一例をあげておくことにします。

<縦書き>
縦書きの文章で、すべて漢数字を用いるパターンを考えてみましょう。
西暦の年号は、漢字では「二〇〇五年」としか書けませんが、
日本の年号なら、「平成十七年十月二十三日」か
「平成一七年一〇月二三日」のどちらかを選んで統一します。

年齢も、「三十五歳」か「三五歳」のどちらかにしますが、
二桁の数字は「三十五歳」としたほうが読みやすいでしょう。

重さや長さといった数値は、
「一〇〇キログラム」「一〇メートル」と表記するのが一般的ですが、
「百キログラム」「十メートル」としてもかまいません。
数字が大きくなると、「一五〇三〇円」「一万五千三十円」では読みにくいので、
「一万五〇三〇円」としたり、「一五、〇三〇円」と書きます。

「万国」「五十歩百歩」「青二才」「三位一体」といった慣用句や熟語は、
縦書きも横書きもそのまま漢字で表記します。

<横書き>
横書きでは、原則的にアラビア数字を用いますが、
上記のように、慣用句や熟語は漢数字で書きます。

一般的に、文章中では「100個」「1万2000人」「5つ」というように、
単位と数字を組み合わせて表記します。
さらに、図表等に数字だけ記入されている場合は、
「5,284」という具合に、コンマを入れるのが原則です。

以上、数字については、例外もたくさんありますが、
だいたい上記のような表記方法で統一すれば、
大きな問題は起こりにくいと考えてよいでしょう

◆ヒント&ポイント◆
「一つの文章の中では、単位や括弧、句読点等の種類や使い方を統一する」
「数字は、縦書きの文章では漢数字、横書きの文章ではアラビア数字を用いるが、
あくまでも原則であり、いろいろなパターンが存在する」

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