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第06話
足し算=引き算?
文章を書く行為には、
言葉を積み重ねていく「足し算」のイメージがあります。
もちろん、頭の中から湧いてくる思いや考えを表現するために、
いろいろな言葉を用いて文を組み立てるのですから、
執筆とは、「足し算」的作業に相違ないでしょう。
ところが、私たちが文章を書くとき、 知らず知らずのうちに、
「不要な言葉」まで書き足していることも多いものです。
余分な言葉が多いと、文章全体が間延びしてしまい、
どことなくリズムが悪く感じられるようになります。
これを是正するため、一度書いた文章を読み返しながら、
「不要な言葉を取り除く」作業が必要となります。
つまり、「引き算」をしなければいけないのです。
文章を書くうえでは、
「必要な言葉を足す(足し算)」ことも大切ですが、
「不要な言葉を削る(引き算)」こともまた、同じくらい重要です。
この意味で、私は「足し算=引き算」と考えています。
皆さんも、文章を書かれる際には、
「余分な言葉を減らす」という意識を持っていただきたいと思います。
では、余分な言葉とは、いったいどのようなものでしょうか。
ここでは、必ずしも必要ないのに、つい書いてしまう言葉を紹介しましょう。
その代表格は、「さ行の言葉」です。
文章を書いていると、
「文と文を何らかの接続詞でつながないといけない」
という不安が湧いてきて、「そして」「そうして」「すると」「それから」
といった「さ行」の言葉で、文をつなごうとしてしまいます。
もちろん、どうしても必要な箇所では使わなければいけません。
しかし、「さ行」の言葉を多用している文は、多くの場合、
間延びしがちで、中身が薄く感じられるものです。
「引き算」を意識して、文章を引き締めてみてください。
文全体が、シャープなリズムを刻み始めるはずです。
◆ヒント&ポイント◆
「『さ行の言葉』をできるだけ減らして、文章をスッキリさせる」
「『必要な言葉を足す』ことと『不要な言葉を削る』ことの重要性は同じ」