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第02話
文章はリズムだ!

ロックンロールの王様と称されるチャック・ベリーの伝記映画、
『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』の中で、
ビートルズのジョン・レノンが、こんな話をしていました。

「(チャック・ベリーの)『言葉のリズム感』は驚嘆に値する!」

映画を観たのは、ライターの仕事を始める前でしたが、
少し興奮気味に話すジョンの様子が、強く印象に残ったのを覚えています。

仕事で原稿を書くようになって数年経った頃、
「文章のリズム」を整えようとしている自分に気づきました。
なぜそうするようになったのか、記憶をたどっていくうちに、
ジョン・レノンの言葉を思い出しました。
知らず知らずのうちに、映画の中の言葉が、
自分の文章に影響を与えていたのです。

以来、「言葉のリズム感」を、
はっきりと意識して書くようになりました。
そして、文章を書くうえで、リズムがいかに大切か、
名作の文章に流れるリズムがいかに素晴らしいか、
ということを感じるようになりました。
リズム感のある文章ほど読みやすく、言葉がどんどん頭の中に入ってきます。
読みやすいということは、書き手の意図が読者に正確に伝わることを意味します。
言葉のリズム感は、歌詞だけでなく、どんな文章にも欠かせない要素なのです。

考えてみれば、日本語には「五七調」「七五調」という伝統があります。
そもそもリズム感のある言語を、私たちは使っているのです。
おそらく、歌人や俳人、作詞家の方々は、
リズムを強く意識して言葉を選び、作品をつくっておられると思います。
ところが、私たちが文章を書くとき、
書きたい内容を詰め込むことに集中するあまり、
大切な「言葉のリズム感」を忘れてはいないでしょうか。

論理的で難しい文章にリズムがあると、読者の理解度はさらに高まるはずです。
情緒的で美しい文章にリズムがあると、より深く読者の心に響くはずです。
リズムを感じさせるキャッチコピーは、人々の記憶に強く刻まれるはずです。

リズムを意識して、言葉を並べてみてください。
あなたの文章は、いきいきと脈打ち始めることでしょう。

◆ヒント&ポイント◆
リズム感のある文章とは、
「声に出して読んだとき、スラスラと澱(よど)みなく読み続けられる文章」
といえます。

一度書いた文章を、声に出して読み返してみましょう。
途中で何度も引っ掛かったり、
意味をつかみ損ねて、同じ箇所を2回以上読み返さないといけないときは、
リズムが整っていない可能性があります。

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