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第14話
ディテールには執念を!
「重箱の隅を楊子でつつく」ようなことばかりしていると、
多くの場合、人から嫌われてしまいます。
しかし、文章を書くときは、重箱の隅を丹念につついて、
細かい部分まで正確に記述することが大切です。
文章は、目に見える形で残るものだからです。
日常会話においては、多少あいまいなことをしゃべっても、
よほど重大な間違いや悪質な嘘でないかぎり、
たいした問題にはならないでしょう。
しかし、文章として記録され、それを他人が読む可能性がある場合、
間違った情報を相手に与えるわけにはいきません。
その意味で、書き手は文章の細部にまで責任を持たなければいけないのです。
では、文章のどこを細かくチェックすればよいのでしょうか。
やはり基本的には、「5W1H」ということになります。
中でも、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」といった客観的事実に関しては、
間違えたり、あいまいな書き方にならないよう、しっかりと調べることが大切です。
なぜなら、事実は一つしかないからです。
「誰が」には、「氏名、年齢、性別、生年月日、家族構成、職業、続き柄、
所属団体、通称、雅号、国籍、血液型」など、いろいろな要素が含まれます。
「いつ」には、日付けや時間はもちろん、
「西暦」と「日本の年号」との整合性、という問題があります。
一つの文章の中で、西暦と日本の年号を混ぜて使うと、
時間の流れを正確に把握できなくなる恐れがあるので、
どちらか一方に統一して書かなければいけません。
私は、デスクの横に、西暦と日本の年号の対照表を常備しており、
いつも確認しながら記述するようにしています。
事実を確認するにあたって大切なのは、
「確信が持てるまで、しつこいくらい調べ抜く強い意志」
ではないでしょうか。
きちんと調べて書いた文章に対して、書き手は自信を持つことができます。
読者にとっては、書き手への信頼が高まることにつながります。
◆ヒント&ポイント◆
「通常の文章において、書き手には事実を間違いなく伝える責任がある」
「とことん調べ抜き、自信を持って文章を書く」