本を守る紙の加工には何がある?

書店や手元にある本をよく見てみると、表面に違いがあるのに気付きませんか?一体何のために、どんな加工がされているのでしょうか。これを知ることで、本の見方が少し変わるかもしれません。

光沢あり、なし?紙本来の質感を生かす?

書店に並んだときに汚れたり破れたり、カバンのなかで折れ曲がったり…本は「傷む」危険にさらされています。
もっとも傷みやすいのは、本の外側にあるカバーです。

突然ですが、一度、お手元にある本のカバーをいくつか触ってみてください。ツヤツヤ?サラサラ?それともザラザラ?本によって違いがあるはず。
実はこれ、カバーを傷みから守るための加工によるものなんです。
なお、カバーがついていない本は、本体の表紙にこの加工を施します(ムック本や雑誌など)。

王道のPP加工。

代表的な加工が「PP(ポリプロピレン)加工」です。
表面を透明のフィルムでコーティングして保護するもの。インキの色移りを防ぐとともに、耐久性や耐水性が高まり、傷や湿気に強くなります。

この「PP加工」にもいくつかの種類があります。本によく使われるのは2種類。
まずは「グロスPP」。ツヤがあり鮮やかな発色になるのが特徴で、絵本や写真集におすすめです。
続いて「マットPP」。さらさらとした手触りになり光沢が抑えられます。若干色が沈みますが、やさしい落ち着いた印象を与えられますよ。

紙本来の質感を活かすニス引き加工。

フィルムを貼り付けるPP加工は、強度はあがるものの、紙の質感が損なわれます。
紙の風合いを活かしたいときには「ニス引き加工」がオススメ。ニスを塗ることで表面を保護し、傷や汚れから守ります。PP加工と比べると耐久性、耐水性の面では劣りますが、紙+デザインでより個性を引き出す、特殊紙には欠かせない加工です。

パレードブックスでは、基本的に担当デザイナーが加工方法をご提案しますが、念のためご希望をお伺いすることもあります。
その際は、これらを参考にお好みのものを選んでみてくださいね。

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